
サーモン養殖の先駆者
ノルウェーの船乗りや漁業の伝統は何千年も前にさかのぼります。ノルウェー人が何世代にもわたって築き上げてきた情熱と知識は、海洋養殖の基礎となりました。
どのようにして海洋養殖サーモンが今日の好況産業になったのかを知るためには、道を切り開いた先駆者たちに目を向ける必要があります。
現在、海岸線に沿って、数百のサーモン養殖場があり、そこは冷たい温度と一定の海流が流れる、魚が健康に育つのに最適な環境です。
ここでは、ノルウェー最初の北海石油掘削リグの影で、後日ノルウェー第2の産業に成長する産業に従事する人々が働いていました。その産業とは、水産養殖です。

始まり
1959年に、デンマークのニジマス淡水養殖場が、建築家のカーステンと園芸家のオーラヴというヴィック兄弟に、自分たちの養殖場を立ち上げるインスピレーションを与えました。
2人はニジマスを浮遊式の木枠の中で養殖し、魚が徐々に海水に順応できることを発見しました。
次の世代
一世代後、1962年にノルウェー農業大学のハーラル・スキェールヴォルド教授が育種場を設立。
彼は41の異なる河川から育種サーモンを捕える許可を受け、ノルウェーで最初のサーモン育成プログラムを始めました。
ノルウェーが世界で最も古く、最も洗練されたサーモンとトラウトの育種素材を養成する国という定評を獲得したのは、スキェールヴォルドともう一人の学者、トリグヴ・ジェドレム教授の功績によるものです。
最初の文書記録されたサーモン養殖場は、1970年にヒトラ島に設立されました。飛躍的な前進が実現したのは、オーヴとシヴェルト・グロントヴェットがヒトラ島のラクソヴィカに20,000匹のサーモンのスモルトが入った八角形の生け簀を配置したときのことです。
ヒトラ島は世界で最初に成功を収めたサーモン養殖場と言われています。その年、グロントヴェット兄弟の養殖場は収益を上げ、こうして現在の産業が生まれたのです。

現在では、サーモン養殖はノルウェー国内で33,700の雇用を創出し、世界140か国に毎日1400万食分の魚を届けています。
現在
ノルウェーの水産養殖方式は、大規模な養殖が始まってから40年近くで急速に発展してきました。
水産養殖を発展させて世界的リーダーになるために、ノルウェーは厳しい衛生規制、綿密な安全性のモニタリングと連続作業を組み合わせる体制を作り上げました。
ノルウェーの最大の資産は、卓越した自然環境です。ノルウェーの広大な海域と100,915kmを超える海岸線は、冷たく水晶のように澄み切った、守られた海で、一年中サーモンを養殖できることを意味します。
ノルウェーがこれを実現できるのは、産業、政府、科学部門が協働しているからです。
ノルウェーの産業は社会の中心で長い歴史を持っており、海洋養殖は多くの沿岸地域社会の基盤である、様々な事業を支えています。
すべては、2人の先駆的な兄弟によって 、1959年に始まったのです。

サーモン産業の現在
未来
海洋養殖は世界が直面している難題を解決する方法のひとつである、と私たちは考えています。それは、急速に増加する人口に十分な健康的な食べものを生産し、この先その需要を満たすのに十分なシーフードを確保するということです。
実際、国連の食糧農業機関は、海洋養殖が世界のシーフード需要を満たすのに重要な役割を担っていると認めています。現在、ノルウェーの海洋養殖産業は世界有数のプログラムの中で、トップクラスに位置付けられます。

サーモンのスナップショット
1959年
建築家と園芸家のカーステンとオーラヴ・ヴィックが最初のデンマーク式淡水養殖場を設置。
1962年
ハーラル・スキェールヴォルド教授がロメリケ郡にニジマス用の育種場を設立。
1970年
ヒトラ島に最初の文書記録されたサーモン養殖場が設立。
1972年
最初のサーモン輸出
1985年
最初の生サーモン消費
2010年
中国に100万本のサーモンを輸出